2021年度 香菊セミナーのご案内

今回のテーマ

今年8月の改正GMP省令における重要テーマ
①承認書との不整合
②安定性モニタリング
③医薬品品質システム(PQS)
④品質文化の醸成など

これらに関わる最新の情報を取り入れたセミナーを当センターの第一線で活躍する講師により開催することになりましたのでご案内申し上げます。
皆様方の多数のご参加をお願いいたします。

 ☆ 開催形式:ZOOMによるWEBセミナー(オンライン)※会場での開催は実施しません。

講演要旨についてはプログラムの下をご参照下さい。

ご案内


日 時 : 2021年10月29日(金) 9:50~16:40
受講料 :
● NPO-QAセンター会員(法人・個人)     5,000円
● NPO-QAセンター会員以外        8,000円
申込締切:10月20日(水)迄
講演資料 : 参加者の方には事前にPDF資料にてお送りいたします。

▼▼▼ お申込み・詳細はこちらから ▼▼▼

https://forms.gle/pXVdhThgxpwLHYgf9

主 催


特定非営利活動法人
医薬品・食品品質保証支援センター(略称:NPO-QAセンター)
香菊セミナー運営責任者:高平 正行
事務局担当:中井・小川・多根井・深見
〒540-0026 大阪市中央区内本町1-4-12 3階
E-mail:npo-qa@galaxy.ocn.ne.jp / TEL 06-6910-1455/FAX 06-6910-1456

講演プログラム


9:50〜10:00開会挨拶NPO-QAセンター代表理事
櫻井 信豪
10:00〜11:00【講演1】企業品質文化の醸成/社会貢献に資する品質保証PQS・QMS・GMPアドバイザー
NPO-QAセンター顧問
大久保 孝樹
11:00〜12:30【講演2】製剤設計、製造設計について(―事例解説を中心―)製剤機械技術学会執行理事、
NPO-QAセンター理事
谷野 忠嗣
12:30〜13:20昼食
13:20〜14:50【講演3】医薬品の品質保証体制の課題と望まれる対応~製造業者(製造所)と
製造販売業者(品質保証部門)の役割と責任~
GMPコンサルタント、
NPO-QAセンター顧問
小山 靖人
15:00〜16:30【講演4】データ完全性を保証する品質カルチャーGMPアドバイザー、
NPO-QAセンター顧問
松村 行栄
16:30〜16:40閉会挨拶NPO-QAセンター理事

講演要旨


【講演1】企業品質文化の醸成/社会貢献に資する品質保証
講師:NPO-QAセンター顧問 大久保 孝樹
内容:
過去から多くの教訓を学んでいるはずでありながら、依然として非倫理的で無責任な不祥事が様々な分野において散見されている。人の生命・健康の維持・増進に寄与することを矜持とするべき医療関連企業においても例外ではなく、企業品質が厳しく問われている。
社会的貢献度を俯瞰的に考察した場合、一時的な事案対処思考のみで企業として責任を果たし得ると言えるのだろうか・・・。社会活動を営む企業にとって、経営層はもとより、内部資源及び関連資源等の意識、資質の成熟が成長促進要素の一つとなることを理解し、継続的改善を進めることは最重要課題である。周辺環境の変化による医薬関連企業に求められる課題を乗り越えて健全な運営を継続していくためには、改正されたGMP省令を含む法令等の遵守(コンプライアンス推進)とリスクを正確に評価した誠実な取組み(Integrity)、それらのボトムアップ活動が設計開発プロセスから市場への提供終了までを通じて自発的に行われるための適正なマネジメントシステムの運用(トップダウンによる品質文化形成/ガバナンス強化)に経営層が率先して取り組む必要がある。
品質コスト管理等の観点も踏まえ、医薬関連企業における企業/品質文化の意義と醸成、社会貢献に資する品質保証のあり方について一緒に考えてみたい。

講師略歴:
地方庁において薬事・食品・公衆衛生等の調査・研究に従事。この間、GMP事例集検討会等に参加。PMDAにてQMS・GMP調査等を担当後、2008年より製薬企業の顧問等を歴任。
現在、PQS、QMS、GMP関連のアドバイザーのほか、医薬品添加物GMP自主基準適合審査会メンバーとして活動。NPO-QAセンター顧問。

【講演2】製剤設計、製造設計について ― 事例解説を中心に ―
講師:NPO-QAセンター理事  谷野 忠嗣
内容:
技術移転は新規医薬品であれば研究開発部門から製造部門へ、また既存製品であれば製造サイト変更などに伴う製造部門から別の製造部門への移転を対象とするが、その際には単なる製造方法のみではなく、その科学的根拠も合わせて移転することが重要である。つまり、製剤設計、製造設計の科学的根拠は技術移転の対象として中核的なものである。
また、技術移転が完了し通常生産に移行した後は、その製品の使命が満了するまで品質その他の継続的改善の必要性が強調されており、その取り組みのベースとなるのもやはり製剤設計、製造設計の科学的根拠である。CAPA(Corrective Action and Preventive Action)においてもその果たす役割は大きい。
一方、医薬品が上市からその使命を満了するまでにはおよそ数十年が経過する場合が多く、その間に担当者の世代交代は避けられない。世代を超えて当該製品の品質向上、工程改善などを継続して行くためには、やはり製剤設計、製造設計の科学的根拠が詳細に記述された開発経過報告書の重要性は非常に大きく、世代間で共有され続けなければならない。本講はそれらの認識に立って事例を交えながら製剤設計、製造設計の実際について解説してみたい。

講師略歴:
大手製薬会社にて製剤研究に従事後、ジェネリック大手にて技術部長等を歴任。
現在は、(社)に製剤機械技術学会 執行理事、神戸薬科大学非常勤講師。NPO-QAセンター理事として運営に携わりながらセミナーや技術支援に従事。

【講演3】医薬品の品質保証体制の課題と望まれる対応~製造業者(製造所)と製造  販売業者(品質保証部門)の役割と責任~    
講師:NPO-QAセンター顧問 小山 靖人
内容:
医薬品の製造における昨今の企業不祥事の事例では、製造所とそれを管理すべき製造販売業者の品質保証部門(以下、製販QA)、両者の品質保証体制の不備が指摘されている。それらの不備は、近年の絶えざるコストダウン圧力、製造委託の進展、職員の非正規化と流動化、等々の社会的構造的な傾向を背景として、製造所と製販QAが直面するいくつもの困難な状況から惹起されているように思われる。本講演では、そうした医薬品の製造を取り巻く状況から課題を抽出し、製造所と製販QAの役割と責任、品質保証のためのあるべき姿を考察する。
さらに、このような課題への対応を品質文化(クオリティカルチャー)の醸成という観点から考えたい。

講師略歴:
日米の大手製薬会社の品質保証部門等に勤務。この間、厚労省厚生労働科学研究のGMP指針を座長として取りまとめた他、GMP国際整合化研究班等に参画し、現在は厚労省薬事衛生管理研修の講師を務める。日本PDA製薬学会代議員。2018年よりNPO-QAセンターに加入し、技術支援やセミナー等に従事。

【講演4】 データ完全性を保証する品質カルチャー    
講師:NPO-QAセンター顧問 松村 行栄
内容:
改正薬機法の運用規定が整備され、GMP省令も改正されつつある。この目的は法令遵守に向けた課題解決と医薬品品質システム(PQS)の整備である。その実行のための基本となる要素がデータ管理である。製造業者におけるデータ管理は新しい概念では無く、既にGMPにおける要求として、多くの条文や解説に記述されている。近年、コンピュータ化システムが汎用されるようになったため、既存の要求事項を整理し、電子データでの対応も含めてデータ完全性(DI)として多くのガイドラインが発行されている。ライフサイクルをとおしたDIの管理を実効的に保証し、法令遵守を確実にするために、PQSの構築と品質カルチャーの醸成を考察する。

講師略歴:
大手製薬会社に勤務。この間、グローバルな国際的GMP関連業務を担当の他、変更管理等工場での実務に従事。製薬協GMP常任委員会副会長、ICH-Q9 品質リスクマネジメントの日本のトピックリーダー等を歴任、US-FDAより表彰を受ける。2011年よりNPO-QAセンターに加入し、技術支援やセミナー等に従事。またNPO日本チョウ類保全協会の代表理事としても活躍中。