第19回 GMP担当職員研修講座のご案内(この講座は終了いたしました。)

謹啓
平素は格別のお引き立てをいただきありがとうございます。
コロナ禍で、まだまだ自粛が求められる毎日が続いていますので皆様方も対応に苦慮されていることと存じます。

NPO-QAセンターでは、毎年、夏に開催しています『GMP担当職員研修講座』を下記要領で開催します。昨今の医薬品不祥事で、医薬品製造現場の質向上が急務とされています。
本講座はGMPの単なる解説ではなく、実務経験豊富な講師陣による現場密着型を主旨とした講座で受講者の方からも好評を得ており、本講座は医薬品製造現場の質向上に対して意義あるものになると考えています。現場密着型の講演内容なので、敢えて対面式の講演としています。
ご受講のご検討をお願い致します。

【 会場開催対策 】

 1) 会場:室内は空調されており、90名収容の広い会場で、3人掛け机を1人 計25名で使用し、前後左右は互い違いに着席してもらいます)
 2) 受講者来場時に体温を測定
 3) 入口にはエタノール消毒剤・予備マスクを設置(建物内はマスク着用)

ぜひご参加頂きますようよろしくお願い致します。


日 時 : 2022年7月28日(木)  9:50 ~ 16:20 (受付開始 9:30~)
2022年7月29日(金) 10:00 ~ 16:30  (受付開始 9:30~)
場 所 : 大阪産業創造館 5階 研修室A・B   https://www.sansokan.jp/map/
定 員 : 25名(先着順、定員になり次第、締切とさせていただきます。)
受講料 : 2日間
NPO-QAセンター会員(法人・認定講座合格者)は 40,000円/1名(資料代、弁当、お茶代を含む)
NPO-QAセンター会員以外は           60,000円/1名(資料代、弁当、お茶代を含む)
【 講座資料は、受付時にお渡しいたします。】

なお、満席になり次第ホームページにて締め切りのご案内をいたします。

【 お申込方法 】
下記申込書をダウンロードしていただき、ご記入後E-mailでのお申し込みをお願いいたします。
第19回GMP担当職員研修講座申込書

主 催


特定非営利活動法人
医薬品・食品品質保証支援センター(略称:NPO-QAセンター)
〒540-0026 大阪市中央区内本町1-4-12 3階
E-mail:npo-qa@galaxy.ocn.ne.jp / TEL 06-6910-1455/FAX 06-6910-1456


講演プログラム

【プログラム】講師は全員NPO-QAセンター会員です。
7月28日(木)
9:50~10:00開会の挨拶NPO-QAセンタ-理事
高平 正行
10:00〜11:00第1講 「QA業務について」鷲見 裕
11:00〜11:10― 休 憩 ―
11:10〜12:10第2講 「変更管理、逸脱管理の為に原薬の製造方法を理解しよう」三宅 正一
12:10~13:00― 休 憩(昼食) ―
13:00〜14:00第3講 「技術移転に係るトラブル事例」初代 秀一
14:00〜14:10― 休 憩 ―
14:10〜15:10第4講 「試験検査のトラブル事例」奥川 隆政
15:10〜15:20― 休 憩 ―
15:20〜16:20第5講 「日常点検に必要な知識とメンテナンス」倉田 邦彦
7月29日(金)
10:00〜11:20第6講 「新薬メーカーと後発薬メーカーの違い」谷野 忠嗣
11:20〜11:30― 休 憩 ―
11:30〜12:50第7講 「包装工程・委受託時の技術移転の課題」岡田 克典
12:50〜13:40― 休 憩(昼食)―
13:40〜15:00第8講 「品質のヒヤリハット」活動事例島田 明
15:00〜15:10― 休 憩 ―
15:10〜16:30第9講 「プラントツアーでどこを見る?」高木 肇
16:30〜閉会の挨拶

※ 質疑応答:当日の質疑応答はコロナ禍のため、昨年と同様に中止します。
質問用紙や、メールにて質問を受け付けて、後日、回答を受講者全員に連絡させていただきます。


講座要旨

1日目(7月28日)

第1講 QA業務について (鷲見 裕)
 令和3年8月施行された改正GMP省令で、医薬品製造所における品質保証に係る業務を担当する組織、つまりQAが、やっと表舞台に立った。QAには、発生した標準からの逸脱事象(トラブルなど)の処理において、QRM(品質リスクマネジメント)の原則に則り、企業としての不祥事へと進展させない責務が課せられていると考える。

第2講 変更管理、逸脱管理の為に原薬の製造方法を理解しよう (三宅 正一)
 医薬品を製造販売承認書の方法で製造していると、逸脱の管理や変更の管理が求められる状況に遭遇することがある。逸脱の管理や変更の管理を適切に行うためにはこれらの管理に関するGMPのルールの知識を有することは勿論であるが、製造方法を組み立てている原理を正しく学び理解することが重要である。原薬を対象に、製造方法の原理を学ぶ方法の一例を紹介する。

第3講 技術移転に係るトラブル事例 (初代 秀一)
 製造販売業と製造業の分離が可能となったことにより、医薬品では製造委受託が当たり前の状況となり、所謂書式だけの移転では、変更時のバリデーション及び移転後において製造トラブルが発生することが多い。このため、昨今では製品の品質リスクに配慮した技術移転が委託側と受託側の双方に求められていることを踏まえて、演者が経験又は知見した移転時のトラブル事例を紹介し、今後に役立て頂きたい。

第4講 試験検査のトラブル事例 (奥川 隆政)
 試験検査は、製品品質を科学的に評価するという重要な役割を持っている。それには、GMP要件に加えて日局、試験技術、安全衛生などの要件への対応が求められる。試験検査のトラブル発生を防ぐため、日頃のモニタリングと改善活動、トラブルなどが発生した場合には早期な原因究明とCAPAが重視される。こうした継続的改善活動には、経営陣の積極的な支援によるオープンな企業環境、情報公開、研修制度が必須である。最近GMPでの逸脱事例、承認書との齟齬が問題となっている。これらのことを踏まえて試験検査におけるトラブル事例とその対策を紹介する。QC、QAの関わりについても触れたい。

第5講 日常点検に必要な知識とメンテナンス (倉田 邦彦)
 医薬品製造所には、ユーティリー設備や医薬品の製造に直接係わる建屋・製造設備の他、試験設備・廃棄物処理設備など種々の設備が使用されている。現在の医薬品製造は設備が主役であり、設備トラブルが即、医薬品の品質・生産量に多大な影響を及ぼすようになった。設備トラブルを防止するために、ユーティリー設備は殆どが業者に委託した「定期点検」で対応しているが、製造設備は運転員が実施する「日常点検」が重要となる。「日常点検」の質向上、すなわち、「運転員の質向上」が設備トラブルを減少させるために必須となる。今回はGMPで殆ど取り上げられない運転員教育とメンテナンスについて講師自身が実践してきたことについて述べる。

2日目(7月29日)

第6講 新薬メーカーと後発薬メーカーの違い (谷野 忠嗣)
 新薬メーカー、後発薬メーカーともに製剤開発においてはQbDに基づくことは同じであるが、両者には決定的な違いがある。即ち、前者は新規開発化合物に対して製剤開発するのに対し、後者は先発製剤に対して製剤開発するのである。結果として開発研究の内容は両者で大幅に異なることとなり、それがそのまま製造設計・開発にも大きく影響を及ぼす。しかし、製造段階において要求されるGMP適合性は両者全く同一である。全く異なった考え方・プロセスにより開発された製剤の製造に同一のGMPを適用する前提として、両者の開発経緯の違いを十分に理解しておくことはGMP担当職員にとって非常に重要であるとの認識から今回の講義を発案したものであり、諸賢のご参考になれば幸いである。

第7講 包装工程・委受託時の技術移転の課題 (岡田 克典)
 2005年の法改正以降医薬品の全面委託が増える傾向にあるが、委受託時の取決め等が不十分なため、その後の製造において種々のトラブル等を招いているのも否めない。なかでも、包装関係では使用する資材・容器類の調達が委託先の現物支給→受託先に出入りする業者に委ねられるので、変更時の品質を維持(再現)するうえでの「技術的条件や事前連絡等」を検討・対応・評価する、『協議と取決め』の不足から品質異常・トラブル等の発生を招いた事例と改善策を紹介する。

第8講 「品質のヒヤリハット」活動事例 (島田 明)
 『「リスクに一番近い人」がリスクを知っている』担当する製造ラインに、「患者リスク」を置き去りにしないため、『後工程は患者さん』をスローガンに「品質心配」を摘み取る「品質のヒヤリハット」活動を紹介する。
・GMP不備(負の評価)⇒「患者リスク」に読み替え、リスクを摘み取る「ポジティブリフレーミング」で活性化
・「患者リスク」を抽出し、改善対策者には「セーブポイント」評価で「Quality Culture」醸成への活用事例

第9講 プラントツアーでどこを見る? (高木 肇)
 組織ぐるみの品質不正体質を暴くには、記録を鵜呑みにするのではなく、現場・現実・現物と記録の間に乖離がないか、すなわち3現主義に基づき、手抜き、偽装、異常や逸脱の放置等をチェックする必要がある。つまり、監査員にはプラントツアーで木(3現)を見て森(医薬品品質システム)を知る観察力が求められる。倉庫、製剤、包装エリアでのチェックポイントを具体的に紹介する。