第21回 GMP担当職員研修講座のご案内

謹啓 平素は格別のお引き立てを頂きましてありがとうございます。
新型コロナ騒ぎも一先ず落ち着き、外国からの観光客が増えてテレビを賑わせている昨今となりました。
一方、医薬品業界は、不祥事多発、その影響による医薬品不足と不名誉な状態が続いています。
厚労省もジェネリック医薬品メーカー172社に対し、製造方法の自主点検を実施して10月末までに報告するように要請をしました。
NPO-QAセンターでは、毎年、夏に開催しています『GMP担当職員研修講座』を下記要領で開催します。

― 記 ―

本講座は実務経験豊富な講師陣により、昨今多発しています医薬品の不祥事における「標準」の重要性を念頭に置いた講座を計画しています。

製造所における実務の重要性を知りたい方々のご参加をお願い致します。


日 時 :
2024年7月25日(木) 10:00 ~ 16:20 (受付開始 9:30~)
2024年7月26日(金) 10:00 ~ 16:15 (受付開始 9:30~)
場 所 :
7月25日 (木): 大阪産業創造館 5階 研修室A・B   https://www.sansokan.jp/map/
7月26日 (金): 大阪産業創造館 5階 研修室A・B
定 員 : 50 名(先着順、定員になり次第、締切とさせていただきます。)
( ※ 三人掛け机を二人掛けで使用)
受講料 : 2日間
NPO-QAセンター会員(法人・認定講座合格者)は 40,000円/1名
NPO-QAセンター会員以外は           60,000円/1名
【 振込先:申込受付後、連絡をさせていただきます。】
申込方法 : 下記のURLからダウンロード後必要事項をご記入の上、返信でお送りください。
http://tiny.cc/4hl7vz

なお、満席になり次第ホームページにて締め切りのご案内をいたします。

主 催


特定非営利活動法人
医薬品・食品品質保証支援センター(略称:NPO-QAセンター)
〒540-0026 大阪市中央区内本町1-4-12 3階
E-mail:npo-qa@galaxy.ocn.ne.jp / TEL 06-6910-1455/FAX 06-6910-1456


講座プログラム

【プログラム】講師は全員NPO-QAセンター会員です。
7月25日(木)
10:00~10:10開会の挨拶NPO-QAセンタ-理事
高平 正行
10:10〜10:50第1講 「標準化を支えるGMPの基本課題」鷲見 裕
10:50〜11:00― 休 憩 ―
11:00〜12:10第2講 「固形製剤製造における理論と実際」谷野 忠嗣
12:10~13:10― 休 憩(昼食) ―
13:10〜14:40第3講 「製造工程における適正な製造指図・記録書とは?」初代  秀一
14:40〜14:50― 休 憩 ―
14:50〜16:20第4講 「OJT教育計画と実効性評価の標準化」島田  明
7月26日(金)
10:00〜11:10第5講 「5Sの重要性とトラブル対応(包装工程)」岡田  克典
11:10〜11:20― 休 憩 ―
11:20〜12:20第6講 「品質管理(試験検査)に向けて:品質規格と試験検査作業手順書を考える」奥川  隆政
12:20〜13:20― 休 憩(昼食) ―
13:20〜14:30第7講 「医薬品(医薬品原薬)の製造において決めて・守るべき約束事」三宅  正一
14:30〜14:40― 休 憩 ―
14:40〜16:10第8講 「医薬品工場にはびこる迷信を狩る~非狩るの君へ~」高木  肇
16:10〜16:15閉会の挨拶

※ 質疑応答:質問用紙や、メールにて質問を受け付けます。
後日、回答を受講者全員に連絡させていただきます。


講座要旨

1日目(7月25日・木)

第1講 「標準化を支える GMP の基本課題」(鷲見 裕)
 品質を作り上げるべき GMP 活動の重要な基本はシステム(PQS)の確立であり、不良医薬品を発生させないために GMP が正しく理解され、作業の標準化の質が厳しく求められる。現時点で改めて GMP の重要性を再確認したい。

第2講 「固形製剤製造における理論と実際」(谷野 忠嗣)
 ICHQ8 の普及により QbD の考え方が普遍化してきた。そして、製剤開発、製造開発における科学的アプローチの重要性が増大している。しかし粉体という難解な対象物を取り扱う経口固形製剤の分野では理論解析が十分でない領域も存在し、先行製品における経験や実績に頼る場合が多いことも否定できない。ちなみにバリデーション指針でも、既存の類似製品の製造実績等が重視されている。そこで今回、経口固形製剤における製剤設計、製造設計における理論と実際について実例を交えて解説したい。

第3講 「製剤工程における適正な製造指図・記録書とは?」(初代 秀一)
 昨今の医薬品業界では、製品に対する品質保証の国際整合性が求められる一方で、医薬品製造の不祥事が発生し、改めて製造指図記録の重要性が問われている。本講では、承認書の収載項目、製品標準書で求められる項目および製品標準書から展開する製造指図書と製造記録の在り方を、固形製剤工程の事例を用いて具体的に解説する。

第4講 「OJT 教育計画と実効性評価の標準化」(島田 明)
恒常的な人員不足の製造所で、教育工数を捻出しての「OJT 教育計画推進」事例を紹介する。
・GMP 教育訓練とは?期待される「教育訓練責任者」マインド
・教育人員を確保するための「改善工夫と協力支援」の段取り
・OJT 教育は「Quality -Culture」の伝承、教育者の「選定と教育」
・「OJT 教育の評価表」による実効性評価の「標準化」

2日目(7月26日・金)

第5講 「5S の重要性とトラブル対応(包装工程)」(岡田 克典)
 5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)は“モノづくり”のスタートで、単なる掃除や片付けなどの美化活動ではなく、職場で抱える課題を解決するための改善活動で、製造ならびに品質管理を維持・改善する手法の一つで基盤である。本講では、このような5S活動の重要性とこれら活動の不備・不足等から招いた工程トラブル・市場クレームの発生事例を紹介する。

第6講 「品質管理(試験検査)に向けて:品質規格と試験検査作業手順を考える」(奥川 隆政)
 本講演では、主に試験検査について開発から製販承認申請、日局への採用、日常管理を通じて求められる要件と、その標準化・課題について紹介する。各ステップ間で相互理解、連携し、技術や知識をコミュニケーションを通じて、作業毎に効率的な標準化を行うことが求められる。ラボエラーの防止、作業の改善が日々求められており、QA 担当者にも照査、承認する上で参考とされたい。

第7講 「医薬品(医薬品原薬)の製造において、決めて・守るべき約束事」(三宅 正一)
 医薬品の回収では、原薬の原料の品質確認がなされていない、承認書で規定されている原料供給業者のものと異なるもの、原薬の製造方法が承認書の方法と異なっていた等が回収の理由として挙げられている事例が見られる。これらは医薬品の製造における「作業前の確認」が十分になされていないことが原因と思われる。それらの防止策として、医薬品原薬の製造において事前確認を始め、定め・守るべきことについて述べる。

第8講 「医薬品工場にはびこる迷信を狩る ~非狩るの君へ~」(高木 肇)
 製造所には、根拠なく設定された「迷惑なまやかし標準」が結構ある。永く踏襲されているだけで、誰もその設定根拠を知らず、悪弊となって Quality Culture に影響していることも考えられる。その代表的な 12 例を紹介するとともに、是非その迷信を狩れる人(光るの君へ)になって頂きたいという主旨の講座である。

以上